葬儀

身内の争いが露わになった最悪の社葬

今から6年ほど前、私の祖父が亡くなり、斎場で経営していた会社での社葬が行われました。
生前に墓石を建立しており、その1年前に祖母が亡くなっていましたから、埋葬される場所は決まっているように思えました。
でも、祖母が亡くなった後に養子を迎えた祖父は、会社の後継者をその人物に託していたのです。
喪主として社葬の準備をすすめ、挨拶などを意欲的に行っていましたが、その人とはお葬式で初めて顔を合わせたのです。
母方の祖父なのに娘に話を通さず、勝手に養子を迎え入れていたことは、葬式の場で争いの火種となりました。
参列者が何百人も参列するなか、母は祖父の裏切りを感じたようで、感情的になって取り乱していました。
埋葬するべき墓も、後継者の親戚のお寺に変更され、何もかもが想定外の事態に陥ったのです。
後継者の親族には弁護士がおり、相続に関しても言いくるめられ、裁判費用が莫大になることで、母は相続放棄を余儀なくされました。
それに参列者のなかには、母や私達といった親族よりも、後継者側にペコペコ頭を下げる様子が見受けられたのです。
祖母が亡くなってから、祖父が一体何を考えて養子にすべてを任せたのか、今でも謎だらけです。
血縁者だけでも争いが絶えないのに、養子といえども他人にここまですべてを奪われるのかと思うと、ゾッとさせられた出来事でした。